超音波検査
高血圧・糖尿病・慢性腎臓病・関節リウマチ・痛風の患者さんの重症化予防には、超音波検査が不可欠です。
当院では、非常勤含め8名の検査技師及び、各専門科の医師が検査を行なっています。腹部・心臓の超音波検査士の資格を持つ臨床検査技師が在籍しており、頸動脈、心臓、腹部、関節、下肢血管、甲状腺の超音波検査を行う事が可能です。
頸動脈エコー
頚動脈エコー検査は、心臓から脳に血液を送る頚動脈を観察して動脈硬化の程度を調べる事ができます。
血管の壁の厚みやプラーク(血管内のコレステロールなどが蓄積したもの)の有無、血流の状況をリアルタイムで確認できます。
頚動脈の動脈硬化が進行していくと、血管が硬くなったり、プラークが育って血管内が狭くなってしまいます。
その結果、脳へ送る血液の量が不十分となったり、もしもプラークが脳へ飛んで行けば脳の血管を塞いでしまう事もあり、脳梗塞を発症する危険性が高くなります。
脳梗塞のリスクが高い方は、頚動脈エコーを行う事で動脈硬化に伴う血管の状態を確認することがとても大切です。
エコー検査は侵襲性のない検査ですので、リラックスして検査を受けて頂けます。
甲状腺エコー
甲状腺エコーは、首の前面にある甲状腺を調べる検査です。
甲状腺の形や大きさ、結節(しこりとも言います)の有無、甲状腺内部に含まれる血液の量などにより疾患の有無を判断します。
【甲状腺エコーでわかるもの】
① 甲状腺結節
「結節=しこり」であり、触診で気付くものもあればエコーで初めて見つかる場合もあります。
殆どは自覚症状がありませんが、出来る場所によっては結節が小さくてものどのつかえ感を感じる方もいます。
良性のものが多いですが、稀に悪性のものもあるので、医師の判断で細胞診(針を刺して細胞を調べる検査)を勧めることもあります。
② 甲状腺腫
甲状腺自体が全体的に腫れて大きくなる疾患です。
エコーで甲状腺の大きさ、血液の量、内部構造などを見ます。
バセドウ病、橋本病などの自己免疫性疾患は血液検査と併せて診断し、治療します。
この検査は20~30分程度で終わり、首元の腫れ、違和感、健康診断での異常指摘がある場合に行われます。
腹部エコー
肝臓、腎臓、胆嚢、膵臓などの臓器に腫瘍や炎症があるかを調べます。
放射線による被ばくがないため患者様への負担が少ない検査です。
・肝臓
肝臓の病変の有無や脂肪の沈着を確認します。SWEを
用いて肝臓の硬さ、脂肪度の検査も可能です。
・腎臓
腎臓の大きさ、形状、内部構造、病変を確認し機能低下していないか検査します。
・膵臓
膵臓癌や炎症があるかを確認します。
・胆嚢
ポリープや石の有無を確認します。
腹部エコーを受ける方は検査6時間前から絶食をお願いいいたします。
お水、お茶は飲んでいただいて構いません。
お腹を出しやすい服装でお越しください。
心臓エコー
心臓エコー検査では、心臓の大きさや形、壁の厚さ、動きの様子をリアルタイムで観察することができます。
心臓の4つの部屋(左心房、右心房、左心室、右心室)や4つの弁(血液の逆流を防ぐ役割をする)のはたらきを調べることで、心機能に異常がないかを確認します。
【心臓エコーで分かる病気の例】
① 心臓弁膜症
心臓の弁が正常に機能しない病気です。
弁が加齢・感染症・外傷・先天的(生まれつき)などの問題によって正常に機能しなくなることで、心臓のポンプ機能に様々な支障をきたした状態です。
心臓エコーでは血流の異常や弁の異常を見つけることができます。
② 心不全
心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態です。
心臓エコーでは、左心室の収縮機能を確認し、心不全の重症度を評価します。また、心室拡大や心筋の異常があるかどうかも確認されます。
③ 虚血性心疾患
動脈硬化や血栓で心臓の血管が狭くなることで心臓に血液がいきわたらない状態です。
主な病態に心筋梗塞や狭心症があります。心臓エコーでは心筋の動きの低下や心臓壁の動きの異常を確認します。
④ 心筋症
心臓の筋肉自体に異常があり、その結果心臓の働きを維持できなくなる病気です。
拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症などがあり、心エコーでは心筋の厚さや大きさ、ポンプ機能を評価します。
関節エコー
関節エコーは、関節で炎症が起きているのか、その場でわかる検査です。
関節リウマチの早期発見、また、関節の痛みが関節リウマチなのか、神経や腱の炎症なのかを判別するのにも有用です。
治療中の方は薬の効果や再発の有無を確認できます。
検査時間は20~30分です。
痛み、被ばくはありません。
文責:中村嘉宏(総合内科専門医、腎臓内科専門医、リウマチ専門医)
