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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に無呼吸の状態が繰り返し起きてしまう病気です。

睡眠中に10秒以上の気流停止が起きる状態を無呼吸と言い、睡眠中の1時間あたりに5回以上無呼吸があると、睡眠時無呼吸と言います。

男性の方が女性よりも起きやすいことが知られており、特に30-60歳代の男性で発症することが多いですが、女性に関しても更年期以降に発症する人が増加します。

日本では潜在的に300~900万人ほどの患者さんがいるのではと推計されていますが、ほとんどの患者さんは適切な診断、治療が受けられていないと考えられています。

睡眠時無呼吸症候群の原因、種類

睡眠時無呼吸症候群の原因として肥満が知られており、肥満の方は減量することが重要です。

アレルギー性鼻炎や飲酒も原因になり得ます。

その他にも、慢性腎臓病や心不全の患者さんでも睡眠時無呼吸症候群の合併が多く、原因であると考えられています。驚くべきことに、慢性腎臓病の患者さんの約50%で、夜間に体内の酸素濃度が低下していると言うデータも国内より発表されています。

睡眠時無呼吸症候群の主な種類として、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群、また両方が合併した「混合型睡眠時無呼吸症候群」に分けられます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

気道のさまざまな原因(顎が小さい、首が太く短いなど、舌が大きい)により「気道が閉塞」してしまい呼吸が止まってしまう状態で、睡眠時無呼吸症候群のうち約90%がこの「閉塞性」であると言われています。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

さまざまな原因によって脳における呼吸の調整部位(呼吸中枢)が障害されることにより、呼吸が止まってしまう状態です。

睡眠時無呼吸症候群の合併症

睡眠中、呼吸が停止し再開するたびに覚醒してしまい交感神経の働きが高まります。これにより、高血圧の発症、悪化に繋がると考えられています。

高血圧の他にも、糖尿病、心不全、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管病、慢性腎臓病の増悪などにつながることが知られています。また、心血管病などの合併症により死亡リスクが上昇してしまいます。

睡眠時無呼吸症候群 症状

睡眠時無呼吸症候群の症状として、以下が知られています。

いびき
日中の眠気や倦怠感
不眠・中途覚醒
起床時の頭痛・頭重感
インポテンツ(勃起障害)
抑うつ
夜間頻尿

特に、日中の眠気により集中力が落ちるため、睡眠時無呼吸症候群ではない人と比べて交通事故が多いことが知られています。また、仕事上のミス、学業の不振などに繋がることも考えられます。

睡眠時無呼吸症候群 検査

睡眠時無呼吸症候群は疑って検査をしないと診断ができず、知らず知らずの間に健康を害してしまう病気です。そのため、積極的に検査を行う事が重要と考えています。

まず、自宅で検査を行うことができる簡易検査を、アプノモニターを用いて行います。その上で、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある患者さんに関しては総合病院に1泊入院し、睡眠ポリグラフ検査(PSG)という精密検査を行なって頂きます。

簡易検査であるアプノモニターのデータの解釈ですが、AHI(睡眠中の、1時間あたりの無呼吸および低呼吸の合計回数)が5回以上であれば睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行います。

いびき、日中の眠気、起床時の頭痛・頭重感などの症状があり、かつPSGでAHIが5以上で睡眠時無呼吸症候群と診断します。

睡眠時無呼吸症候群 重症度

AHI5~15で軽症、15~30で中等症、30以上を重症と分類します。

睡眠時無呼吸症候群 治療 (治し方)

簡易検査であるアプノモニターの検査でAHIが40以上であれば、PSGを行わずに経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)による治療を行うことが検討されます。

PSGでAHIが5~20の患者さんでは、マウスピースによる治療が検討されます。また、枕を調整することが有効なこともあります。

PSGでAHIが20以上の患者さんでは、CPAPによる治療が勧められています。

CPAP治療ですが、睡眠時にマスクを装着し、機械から空気を送り込むことで、睡眠中の無呼吸状態を防ぐことができます。空気の圧が常に一定のものと、無呼吸時に自動的に圧力が上がるものの2種類があり、患者さんの状態に応じて医師が設定します。

使用により、いびきや無呼吸などが改善し睡眠や生活の質が向上することを実感する人が多いです。

また、CPAP治療を行った場合、行わなかった場合と比べて明らかに寿命が延びることが示されており、多くの研究によりCPAPの健康に対する効果が実証されています。

 

いかがでしたでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群は疑って検査をしないと診断ができず、知らず知らずの間に健康を害してしまう病気です。

名古屋市で睡眠時無呼吸症候群の検査、治療をお考えであれば、金山駅前の当院への受診をご検討ください。

 

参考文献:睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン2020、日本呼吸器学会ホームページ

この記事の執筆担当者:中村嘉宏(総合内科専門医)

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